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見慣れた日常をぶっ壊せ!クラック株式会社 大野陣 Special Blog

Brand Visionary

Vol. 01

会社経営がサマになる前から、なぜ若い経営者はキャバクラ、高級車、時計にお金を使ってしまうのか?──お金の使い道としてのブランディングとは?

まだ会社が個性と独自性の名の下に軌道に乗る前。「何をしている会社ですか?」と聞かれる度、他者との差別化にそこまで胸を張れるわけでもない…そんな時期。

そんな頃から、キャバクラに通い、高級車を乗り回し、腕にはブランドの時計──。
そんな若い経営者に対して、世間はたいてい「見栄っ張りだ」とか「調子に乗ってる」と言う。

だが、俺はそうは思わない。

これはただの浪費ではない。
もっと根深く、もっと切実な「承認欲求の投資」にも、思える。

つまり、「まだ世の中から認められていない自分」を、“金で先に語ろう”としている。

「違う!そんなことはない!」と言う人もいるだろう。それは、違う人もいるかもしれない。

しかし、断言する。そういう経営者は

めちゃくちゃ多い!(笑)



社会的な肩書きや成果が未確定な状態で、人は“語る手段”を求める。
そのときに、高級車や時計は手っ取り早い“記号”になる。
「この人、成功してそう」「すごそう」
そう見えることで、対等な土俵に立てる気がする。ビジネスの場でも、プライベートでも。

その感情は、よくわかる。
実際、俺自身も昔そうだった時期がある。
「何者かになった気がする」ための支出。それは心の安定剤でもあった。

しかし、だ。

本当に“サマになる”経営者というのは、「金をどこに使ったか」で決まる。

ブランド品を否定するわけではない。

あれらは、とても素敵なものだ。

だが、それよりも、俺は問いたい。

例えば…

会社の営業資料は、万全だろうか?
パワポに魂は宿っているのか?「誰に」「何を」「なぜ」と、語れる設計になっているか?
言葉選び、見せ方、順番──全部が「自社らしさ」を、とてもよく映しているか?

社員教育はできているのだろうか?
自社の理念や強みを、社員自身の言葉で語れるか?
単にマニュアルを覚えるのではなく、誇りとして根付かせる工夫はしているか?社員は、自分の家族にあなたの会社をどのように自慢しているかイメージは湧くだろうか?

ブランド表現は整っているか?
Webサイトは?ロゴは?名刺やパンフレット、社内掲示も含めて、「この会社、他と違うね」と言われる空気や世界観はあるか?


儲けることは、大前提だ。
しかし「儲かればいい」だけで走る経営は、いつか疲れるはず。
遅かれ早かれ、価格競争に巻き込まれるか、心が辛くなってくる。

“自分たちらしさ”を研ぎ澄ませて、それを表現し、伝えること。それができていれば、会社は「語れる存在」になる。語れる会社は、選ばれる。
そして、長く残る。比較されることも少なく、いちいち何かをアピールしなくとも「一目置かれる存在」になれる。

金は、人格の化身だ。
どこに使うかで、人間性を見られる。

経営者であればなおさらだ。自分の“意志”が、会社の命運に直結する。

高い時計を買うな、とは言わない。時計はめちゃくちゃカッコいいから。現に、私の腕にもロレックスは巻き付いている(起業してすぐ買いました、ハイ。)
だが、それが「何のための買い物だったのか」を、自分の言葉で語れるだろうか?

俺はそういう問いを、自分にも、常に突きつけている。

若さは、迷って当然だ。
浪費してしまう日もある。
でも、そこで終わらずに──「浪費のふりをした投資」にしてやればいい。

自分の金の流れが、会社の物語と重なるように。
そうすれば、きっと“サマになる日”がやってくる。
それは、他人に褒められる日ではない。
自分自身が、自分の会社を「好きだ」と思える日だ。そこで働く社員自らがが「うちみたいな会社、他に無いですよね。」と言ってくれる日だ。

大野 陣
crack株式会社 代表取締役
https://www.crack-inc.co.jp
外資系製薬会社で8年間勤め、その後マーケティング会社を創業。鉄板トークは、起業1年目にして2000万円を詐欺師に奪われた話と、中学時代に望まぬ角刈りにされ悩んだ話。理念は『ノリ良く、面白く、カタチにする。』映像制作、Webサイト制作、SNSマーケティング、Web広告運用、マスメディア出演サポートなど多岐にわたる事業においてその全てにディレクターとして参画。日本サウナ協会会員。