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見慣れた日常をぶっ壊せ!クラック株式会社 大野陣 Special Blog

Brand Visionary

Vol. 02

ダサい会社の新定義──社員に舐められてしまう「会社の“逆”ブランディング」とは?

最近、こんな声をよく聞く。

「ウチの社長、いい人なんだけどね」
「優しいし、話は聞いてくれるよね」
「うちの会社は無理しなくていいから過ごしやすいよね」

これは、一見すると“好意”のように聞こえる。
でも、そこに「尊敬」があるか?といえば──微妙だ。

パワハラをしない、怒鳴らない、フラットである。
本人に無理をさせない、無理をさせると大変だから。

それ自体は素晴らしい。今の時代に合った経営スタイルだと思う。

でも、それだけじゃ足りないこともあるだろうに。

むしろ、「優しい経営」が中途半端だと、
社員にとっては“甘くて軽い経営”に見えてしまう。

代表が舐められる会社には、共通点があるように思う。

● 社長が「社員に嫌われたくない」オーラを出しすぎて、判断がブレる
● 社員の言い分を全肯定してしまい、社員から見て軸が見えなくなる
● 「自由でいいよ」「任せてるよ」と言いながら、実態は放置してるだけ
● SNSでは“理想論”を語るが、社内では誰もそれを信じていない

そうすると、社員の中にこういう空気が生まれる。
「この会社って、別に本気じゃないよね」
「うちの社長って、世間体は気にしてるけど、現場には興味ないよね」
「なんか、やってるフリだけは上手いよね」

それは、社長を舐めているというより、
“会社そのものが軽く見られている”状態だ。

好かれようとする努力は、悪じゃない。
むしろ、それ自体は尊い行為だ。

ただし──
「背中を見せずに、好かれようとする姿勢」は、逆効果になる。

社員は、“言葉”だけを見ているわけじゃない。
“態度”と“決断”と“ミスや矛盾が出てきた時の対応”を見ている。
つまり、“この人は何を守る人なんだろう”を見ている。

そこが空白だと、
いくら理念が立派でも、いくら待遇が良くても、社員の中には「信頼」が根づかない。
そして気づけば、誰も会社を語らなくなる。

ブランディングとは、
会社が「語られる存在」になることだ。

逆ブランディングとは、
誰からも語られなくなる会社になることだ。

社員に舐められ始めた会社では、こんな現象が起きる。
 ●SNSで会社のことを発信しているのは社長だけ。社員は何もシェアしない
 ●求人の口コミに、理念やビジョンへの共感が一切書かれていない
 ●イベントをやっても、社員のリアクションが薄い。“参加させられてる”空気

それが意味するのはただ一つ──
「うちの会社、実はいいんですよ」と言いたくなる何かが、今はない。

社員は、理念より、制度より、ビジョンより──
“背中”を見ている。
 “態度”と“決断”と“ミスや矛盾が出てきた時の対応”を見ている。
つまり、“この人は何を守る人なんだろう”を見ている。

覚悟を決めた判断
迷いながらもぶつかる姿勢

「嫌われても守るものがある」という態度

それがあるだけで、
社員は“信頼”の目を向ける。
それが「軸と信念」をもとにした、「誇り」に変わる。

だからこそ言いたい。

優しくあっていい。好かれたくていい。でも──舐められるのは、良いことじゃない。

仲がいいのと、舐められてフラットなのは全然違う。

舐められる会社は、誰にも語られない。
語られない会社は、誇りが育たない。

そして誇りがない組織は、
“なんとなく”で辞められる。

この時代に合った柔らかさを持ちつつ、
信じられる“芯”を持った会社が、
本当に「カッコいい」と思われる会社なんじゃないか。

社員が、誇りを持って会社を語る未来のために。
愛されたいなら──まず、矛盾やミスをどう対応するかという、背中を見せよう。

大野 陣
crack株式会社 代表取締役
https://www.crack-inc.co.jp
外資系製薬会社で8年間勤め、その後マーケティング会社を創業。鉄板トークは、起業1年目にして2000万円を詐欺師に奪われた話と、中学時代に望まぬ角刈りにされ悩んだ話。理念は『ノリ良く、面白く、カタチにする。』映像制作、Webサイト制作、SNSマーケティング、Web広告運用、マスメディア出演サポートなど多岐にわたる事業においてその全てにディレクターとして参画。日本サウナ協会会員。