■仕事編
Q.今の仕事を知った(始めた)きっかけについて教えてください。
高校時代、私は将来、医者になって多くの人の役に立ちたいと考えており、たまたま、ある病院で2日ほど職場体験をさせていただく機会がありました。その短い職場体験中に、40代の男性が亡くなる瞬間に立ち会いました。男性の隣には奥さんと娘さんがいて、二人とも大泣きしているんです。人って、こんなにも簡単に亡くなってしまうのだと衝撃でした。
この時から、病気になってから治療することも大切だけれど、その手前、つまり病気を予防することの方が大切なんじゃないかと考えるようになりました。そしたら、少しでも病気で苦しむ人、悲しむ家族を減らせるんじゃないかと思うんです。
こうした思いで、予防医学の研究へと進みました。
Q.仕事内容についてのご紹介ください。
私の仕事のテーマは「腸内細菌のデータをもとにした個別化予防」です。
具体的には、皆さんのお腹の中にいる「菌」の種類や割合を調べて、そのデータをもとに、どのような食べ物と相性が良いのかなどを解明し、病気を予防し、健康に過ごすためのアドバイスを行っています。
もちろん、どんな人にもアドバイスはできますが、今は、妊婦さんの健康サポートに力を入れています。近年の研究で、妊婦さんの腸内細菌が自身の健康だけでなく、これから生まれて来る赤ちゃんの健康にも影響があるということが明らかになりました。
つまり、妊婦さんの腸内細菌が乱れてしまうことによって、便秘や妊娠糖尿病、早産、流産のリスクが高まるだけでなく、これから生まれてくる赤ちゃんに対しても、アレルギーや自閉症、肥満などのリスクが高まる可能性があるということです。
人生100年と言われている中で、これからの人生を健康に過ごしてもらうために、これらの「減らせるリスク」を少しでもなくしていきたい。そして、一人でも多くの子どもたちが健康で暮らせる世界を作っていきたいと思い活動しています。
こうした想いをもって、普段は様々な企業様に訪問させていただき、セミナーや講演会を行ったり、商品開発を支援したりして、一人でも多くの人に腸内細菌と健康のかかわりについて知ってもらうきっかけ作りもしています。
Q.自分でビジネスを始めて得た最大の教訓がございましたら教えてください。
「ブランド」とはコツコツと地道に信頼・信用を得て出来上がるもの。 大企業をやめて、どれだけ社員が守られていたか。つまり、過去の偉人たちによって作り上げられた会社の看板に守られ、力を借りて仕事できていたのかがよくわかりました。
Q.自信を無くした時、逆境に立った時の対処法がございましたら教えて下さい。
海外をバックパックで旅していたことを思い出して「日本でどれだけ大変でも凹んでも、死ぬことはない。何度だって起き上がろう!」と気合い入れ直します。
Q.将来目指しているビジョンについて教えて下さい。
腸内細菌を一人ひとりに合わせて、最適化することで、世界中の人を健康に幸せにすること。
同じ人がいないように、腸内細菌も人によって異なっています。
だからこそ、その人の腸内細菌に適切な食事は個々に異なっているのです。
腸内細菌のデータから、その人にあった食事を提供することで、みなさんが腸(お腹)から健康に幸せに過ごしていける世界を創っていきたいと考えています。
Q.今、社内で足りてないリソースはございますか。
ビジネスを拡大している真っ只中なので、猫の手も借りたいくらいです。
特に2つ挙げるとしたら、企業様からお声掛をいただくことが多くなったので、研究内容を正確にわかりやすく説明ができる営業さん。 エビデンスを重要視しているので、腸内細菌や母子の分野の研究に興味があり、自分の研究成果で本気で世界を良くしていきたいと思っている研究者さんです。
Q.成長(成功)のために必要なものについて、何がございましたら教えて下さい。
なによりも応援してくださる皆様です。
私はもともと、研究者ですので、経営者になるための知識や経験は学んできていません。
起業をしてからも、わからないことだらけだったところをたくさんの方々に応援していただき、なんとかここまできました。
世界を健康に幸せにするためには、なによりもたくさんの応援者が必要だと考えています。
Q.連携したい企業(業種)はございますか。
栄養が大切だと考えられている産婦人科様
腸内細菌が重要だと考え活動されている企業様
生菌を粉末化するのが得意な企業様
Q.憧れ、または尊敬する人はいますか。
スポーツ選手であれば鈴木一郎選手
日本人の女性経営者であれば南場智子さんです。
芸能人だとイモトアヤコさんです。
皆さん共通して、努力家で壁に当たりながらもトップまで上り詰めており、いくつになっても若々しく、本を拝読したり、メディアでお姿を拝見するたびに、活力をいただいています。
Q.気になる企業、目指したい企業はございますか。
日本ならユーグレナさん:代表が研究者であり、熱い想いを持って起業された結果、上場も叶え、「研究成果を社会に還元する」を体現されている素敵な企業さんだなと思います。
海外ならViomeさんやmybioticsさん:腸内細菌をテーマに事業をされている企業さんです。大きな資金調達をされており、腸内細菌の価値が世界的に認められるのを示した企業さんだと考えています。
■プロフィール編
幼少期は、興味を持ったものに猪突猛進で向かっていくような子でした。「月はなんで追いかけてくるの?」「なんで?なんで?」と聞き続けて親を困らせたりもしました。
好奇心旺盛で、幼稚園のときはダンゴムシを集めてどうしたら丸まるのか、試行錯誤していましたし、小学生のときはアリの巣が気になって、大きな石を置いたり、砂で埋めたり、チョコや飴をあげたりと、ありとあらゆることをやって観察していました。数年続けてやっていたので、1つのことに興味をもつと、ずっとコツコツやる性格も幼少期から変わっていません。
Q.子供の頃の夢は何でしたか?
小学校低学年の時は、お腹いっぱい大好きなケーキを食べたくて、ケーキ屋さんになるのが夢でした。実際にケーキ屋でパティシエとして働いていたこともあるので、有言実行で夢を叶えています。
夢とはいえないかもしれませんが、幼少期の頃から、自分が大人になるときには3Dアバターで電話するようになるとか、赤ちゃんが子宮ではなく、子宮の代わりをする小さな試験管型の保育器で育てられるようになるとか、そんな映画のSFのような未来が来ると空想していました。
Q.駆け出しの頃に役立ったこと、出会いについて教えて下さい。
実は1年前は会社のHPもありませんでした。
企業さんとのやり取りが増えてくる中でHPがないと困ると、あたふたしていた時に、古くからの友人がHPを作ってくれたり、会社の設立方法がわからないと情報を調べていると起業家の先輩が助けてくださったりと、本当にたくさんの方々のサポートがあって今があります。
皆さんに助けていただく中で、自分一人でできることが、こんなに少ないんだということを痛感しましたし、改めて周りの人の優しさや凄さに気づきました。
Q.仕事のために払った最大の犠牲は何でございますか。
貯めていたお金もなくなりましたが、一番は大好きで大切な友達と遊ぶ時間です。
立ち上げ時は必死だったこともあり、楽しかったので、遊ぶよりも毎日夜中まで仕事をしていました。
自分の周りの人に幸せになってほしいと思いつつも、自分が本当に大切にしたい人たちとの時間をすべて犠牲にしてしまっていたなと思いました。
Q.自分自身のモットー、座右の銘について教えて下さい。
袖振り合うも他生の縁
出会ったすべてのヒトに出会ってよかったと思っていただけるようにしたいなと思っています。
Q.ご自身のセールスポイントについてご紹介ください。
①運が良い ②人に恵まれている ③決めたことは最後まで諦めずにコツコツ取り組める
■メッセージ
すべての人の夢を応援したいと思っています。みなさんが元気に最後まで夢を追い続けて活動するには体が資本。ただ頑張る人ほど途中で倒れたり病気になったりするのを見てきました。
だからこそ私は健康面からたくさんの方を応援して夢を叶えるお手伝いをしたいと思っています。
また、これから社会に出る理系女性たちが「研究しつつ起業もできるんだ。自分も諦めずにチャレンジしてみよう。」と思ってもらうきっかけになれたらなと思っています。
ご回答いただきありがとうございました。
株式会社bacterico
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