未来にはばたく企業をサポート未来翔会 MIRAI SHOKAI

注目企業インタビュー

Interview

Vol. 12

「洗練されたハーバル・ダイの服」をコンセプトに、より多くの女性へ思いを届ける

株式会社 ソハナ
代表取締役 伊藤賢司 様

■仕事編
Q.今の仕事を知った(始めた)きっかけについて教えてください。

アパレル業界にて25年ほど勤めさせていただきました。

20代にアパレルブランド卸会社の営業職よりスタートし、アパレル雑貨生産会社で営業生産職、シューズブランドでの営業生産職とアパレル業界のモノつくりを学んで参りました。
その後、現在のベースとなるインドアパレル生産会社にて12年間の営業職を経験しインドの素材や技術の魅力に惹かれました。
後に2022年9月インド高品位アパレル生産会社、株式会社ソハナを創業いたしました。
信頼関係を築き上げたインドの生産者達と共に、高感度インドアパレル製品を企画提案、生産、輸入、卸しと一括管理し、国内大手アパレルブランド様へ商品提供をしております。

今後はインドのサスティナブル素材を用いた、自社SDGsブランド「FILMUS13」(フィルムス・トレーズ)の卸し及び小売事業を進めております。

Q.仕事内容についてご紹介ください。
(ポイントについてや、仕事によって何が変わるかを教えてください。)

長きに渡り、アパレル業界にて仕事をしてきて、世界的な問題にもなっている、過剰生産による商品廃棄や生産国に対する労働条件や環境に疑問を持ち続けてきました。

自社ブランドでは同じ思いのデザイナーやスタッフと出会い、日本未上陸であった、インドのハーバルダイ(化学染料を使用しない染色技術)をこの日本でも広めたいという思いから、オーガニック素材にハーバルダイのみのブランドを立ち上げさせていただきました。

日本ではまだまだ、化学染料の衣服が9割以上存在しております。そんな業界に新たな風をと思い、FILMUS13をスタートさせていただきました。

Q.自分でビジネスを始めて得た最大の教訓がございましたら教えてください。
全ての事は信頼関係で全て成り立っていると思います。
特にメインビジネスであるインド企業との関係性は信用と信頼関係がなければ継続は不可能に近いです。

スタッフ、ビジネスパートナー、クライアントは全て平等ではなくてはならなく、お互いを尊重しあえて初めていいモノつくりが出来ると考えております。

個人的な座右の銘としては、「縁尋機妙」という言葉が持つ、
良い縁がさらに良い縁を尋ねて発展してゆく様は妙なるものがあるを常日頃心がけております。

Q. 自信を無くした時、逆境に立った時の対処法がございましたら教えて下さい。
幼少期から現在まで続けているサッカーでチームの仲間とボールを追いかける。

家族や愛犬と共に同じ時間を過ごし、リフレッシュをするなど、仕事以外の時間を有効に使う事を心がけております。

Q.来目指しているビジョンについて教えて下さい。
衣食住の衣の分野においても、作り手側が必ず配慮しなければならない環境問題。
「洗練されたハーバル・ダイの服」をコンセプトに、より多くの女性へ思いを届けて行きたいとチーム一同考えております。

一般的な衣料に使われている化学染料による染色は、その多くが化石燃料から作られるため、人体や自然環境への影響に世界的な問題意識が高まっています。「FILMUS13」の商品は、天然のハーブやスパイスから成る染料のみを使用して染色しているため、素肌にも優しく、水消費量も削減するなど環境にも優しい製法で作られており、国際的なオーガニックのテキスタイル基準であるGOTS認証やその他特許*も取得しています。

素材はオーガニックに徹する一方で、牧歌的ではなく、現代の都会的なファッションを楽しむ女性が思わず手に取りたくなるような服作りを目指しております。

Q. 今、社内で足りてないリソースはございますか。
弊社では、生産国であるインド工場に対し、TT AT SIGHTという
キャッシュオンデリバリーにてインドより輸入をしております。

商品を生産するには、現地工場も事前に多くの資金を投資し、進行をしなければなりません。
創業期の弊社では、信用銀行取引(LC外為決済)は難しく、資金繰りが厳しい状況ではございましたが、銀行融資や短期手形融資などで第二期まで事業を進めて参りました。

第二期では売上170%UPと実績も出来てきておりますが、2024年度の円安による為替損益で大きな負債を抱えてしまいました。

現時点で明らかなのは、キャッシュフローの確保が大きく足りておりません。

Q. 成長(成功)のために必要なものについて、何がございましたら教えて下さい。
先に明記させていただきました教訓と重複しておりますが、
日々信頼関係を築く事がで全ての成長に必要と考えております。

自分が携わる全ての人へ感謝と敬意を示し、チームで同じ方向を向いて目標を成し遂げる事により、結果が伴うと思っております。

Q. 連携したい企業(業種)はございますか。
サスティナブルという視点をベースにオーガニック食品などの分野と協業し、日本国内でもSDGsを特化したイベントなどをしていけたらと考えております。

また、自社ブランドの染料にも使用される植物とリンクする生花販売事業者と連携し、アパレルと植物を同じ空間で提供出来るお店を構築したいと考えております。

Q. 憧れ、または尊敬する人はいますか。
京セラ創業者 稲森和夫さん

(理由)
経営を損益だけではなく、プロセスと目的を重視しているところと、私が幼少期を過ごした鹿児島出身という事。

■プロフィール編
Q. 子供時代について、ご紹介ください。

鹿児島での幼少期からサッカーに夢中で、勉強よりもスポーツと遊びに明け暮れておりました。
中学ではサッカー部部長を務めさせていただきました。

そんな中、中学生活の3年間は新聞配達をし、母親のみの家計を多少でも手助け出来るよう続けておりました。

高校生活ではサッカー、音楽バンド、アルバイトに多くの時間を費やし、高校卒業と共に北九州の住友金属工業(現日本製鉄)へ就職しました。

Q. 子供の頃の夢は何でしたか?
小学校1年で尊敬する先生に恵まれ、幼少期から教員になりたいという思いがございました。

後にサッカーを通じ、体育教諭になりたいと思うようになりましたが、夢叶わずで高校生活アルバイトを通じ、飲食店経営という夢に変貌いたしました。

Q. 駆け出しの頃に役立ったこと、出会いについて教えて下さい。
19歳で就職し、当時の住友金属工業時代に新人教育担当として社会人としてのノウハウを教えていただいた20歳くらい年上の先輩。

私は1年足らずで退職したのですが、同時にその先輩も脱サラし、飲食店の道へ進み、今では北九州でも有名なお蕎麦屋さんとなり、 10年に一度は北九州のお店へ足を運ぶように心がけております。

その後、20歳からの東京生活の中で20代にお世話になった方々へは、今でも交流があり今の仕事にも大いにサポートしていただいております。

Q. 自分自身のモットー、座右の銘について教えて下さい。
座右の銘は、「縁尋機妙」(えんじんきみょう)です。

先のビジネスでの教訓や成長に必要なことと同じく、良い縁がさらに良い縁を尋ねて発展してゆく様は妙なるものがあるという言葉は信用と信頼関係を築かなければできないモノつくりビジネスを継続していくうえで、必要不可欠だと思っております。

Q. ご自身のセールスポイントについてご紹介ください。
あまり感情的にはならず、物事を冷静に分析し、スピード感と判断力が営業職のポイントだと思っております。

また、人当たりの良さは周囲の方々より声をいただきます。

■会社概要編
①サービス内容(一言で言うと?)

インド製高感度アパレル商品に特化し、一括管理で商品化するシステムを構築しております。

②解決している課題
品質管理部門ではインドの工場と日々連携をし、B品率の改善については、大きく減少しております。

③顧客の価値提供
小売事業のオリジナルブランドでは、オーガニック素材に徹する一方で、牧歌的ではなく、現代の都会的なファッションを楽しむ女性が思わず手に取りたくなるような服作りを目指しております。

環境配慮を意識した生活をしなければならない現状に、大量生産や化学染料を用いた衣服が蔓延する現状に環境に最大限配慮した素朴さとは違う都会的なデザイン衣料という新たなチャンネルの認知を提供していきたいと考えております。

④商品の特徴
OEM事業、小売事業問わず、インド独自の天然素材を用いた
テキスタイルに、刺繍やレース、カットワークなど、ヨーロピアンテイストとインド、そしてジャッパンクリエイションの融合。

今では失われつつある貴重なインドモダニズム、そして長く培われた独自の加工技術を活かしながら、日本向けに特化したソハナ提携工場において、ビジネスが難しいと言われるインド製品を確実に製品化いたします。

⑤なぜその特徴を実現できるのか?
オリジナルブランドの大きな特徴としては、弊社とインド染色会社、縫製会社と3社のみで製品化をすることにより、よりシンプルに且つ環境に配慮したものづくりが出来ると確信しております。

まだまだ日本国内の衣料品業界として関心が足りないサスティナブル事業に新しい風をという思いと、最適なインドの生産背景に恵まれた事が大きな事業への第一歩と考えております。

⑥比較されている競合他社
国内においては、良品計画(無印良品)様などを代表に、シンプルなアパレル製品での展開は見られるのですが、よりデザイン性やトレンド性を取り入れたブランドはまだまだ少ないです。

⑦競合優位性はどこにあるのか?
ブランドのコンセプトは、
「洗練されたハーバル・ダイの服」。
一般的な衣料に使われている化学染料による染色は、その多くが化石燃料から作られるため、人体や自然環境への影響に世界的な問題意識が高まっています。FILMUS13の商品は、天然の
ハーブやスパイスから成る染料のみを使用して染色しているため、素肌にも優しく、水消費量も削減するなど環境にも優しい製法で作られており、国際的なオーガニックのテキスタイル基準であるGOTS認証やその他特許*も取得しています。
素材はオーガニックに徹する一方で、牧歌的ではなく、現代の都会的なファッションを楽しむ女性が思わず手に取りたくなるような服作りを目指しております。

このような取り組みの国内アパレルブランドは恐らく初の試みという事と、こちらの染色会社(インド)の日本展開は弊社独占という事に大きな優位性を得られると考えております。

ご回答いただきありがとうございました。

株式会社 ソハナ
https://filmus13.com

その他のインタビュー