■仕事編
Q.今の仕事を知った(始めた)きっかけについて教えてください。
幼少期から、遺伝子に興味があり、幼い頃から独学で学んでいました。
小学3年生の頃、科学というお菓子づくりにハマり、部屋の湿度から発酵菌の数、目に見えない数字に再現性を感じていて、大阪調理製菓専門学校を卒業後パティシエとして3年勤務しました。
しかし、先天的にアトピー性皮膚炎が悪化したために1年ほど包帯を全身に巻きながら自宅療養することになり、パティシエを辞めざるを得ませんでした。
この自宅治療中、動くことも食べることも難しくなった時期に、病気の面白さに気づきました。
デジタルやネットへの関心があったことから、モノタロウで営業やCSの仕事をしていました。ですが、その間もアトピー症状が安定せず、「私はもういまあるサービスや治療法では治らないから、この肌をテーマに起業しよう」と決め、2020年8月に起業準備を始めました。各種のピボットを経て、2022年1月20日に株式会社Genonの法人登記をしました。
また、開業が身近な家庭環境で育ちました。そして同じく家族に皮膚疾患を持っているため、昔から家庭内で皮膚疾患医療の限界について話す機会をよく持っていました。
「結局医療の道に進んでも眼の前の少人数しか治せない。そのため、広く課題解決したい場合はスタートアップ系に進んだほうがいいのではないか」と家族からアドバイスをもらったこともあります。その影響もあり、スタートアップを選択しました。
Q.仕事内容についてご紹介ください。
(ポイントについてや、仕事によって何が変わるかを教えてください。)
ヒフメドとは、皮膚科に特化した保険診療ができるオンライン診療と、患者の症状を分析するサービスを開発しています。
ヒフメドは患者主体の医療サービスで、治療データを貯めることにより、皮膚疾患の日常記録を残すことで患者を分析し、医師と共有して個別化医療を推進ができます。皮膚科医療現場の治療サポートを実現するものです。
そのため、将来的に皮膚病をデータの点から大きく解決していくことができます。
現在、皮膚科の現場では診察時間不足、治療経過が追えない、ミスコミュニケーション等が頻発しています。その結果、医師不信、継続患者の減少、新規患者の続出が現場の課題として浮かび上がっているような状況です。
負のスパイラルからどうしても短くなってしまう診療時間の中で医師とうまくコミュニケーションがとれず、信頼関係を築けないまま病院を転々として治療が難航してしまうのです。
こういった課題に対してもヒフメドによって、医師-患者間のコミュニケーションギャップを埋め、継続通院率UP、患者の満足度UPが可能になります。アプリによって診療の中で患者が適切に症状と治療経過の情報を伝えることができるので、医師も適切な治療に関する情報が伝えやすくなります。
Q.自分でビジネスを始めて得た最大の教訓がございましたら教えてください。
「成功の鍵は、継続的な努力と革新的な発想にある。」
弊社はまだ創業1年目ですが、事業を始めると、熱意や情熱があるため、多くのことがうまく行き始めるのを実感します。
しかし、時間が経つにつれて、新たな課題や困難が現れています。
こうしたときに、継続的な努力、忍耐力と誠実性が必要だと思い、先輩起業家や、支えてくれるステークホルダーを思い出すようにしています。
また、常に革新的な発想を持ち続けることが、ビジネスを成長させるための重要な要素であるということも学びました。
弊社は患者と医師との中立な立場を保っているため、
両者の意見を日々インプットし、新しいアイデアを取り入れることが成功につなげて行きたいと思っています。
弊社での具体的な努力は、いつも楽しいと思える市場でありつづけることと、病気が治ることが弊社の成功の鍵につながると思っています。
Q. 自信を無くした時、逆境に立った時の対処法がございましたら教えて下さい。
自信喪失時やネガティブになった時は、人は落ち込んだ時、小さなことに気づきやすい性質を持っています。そのため、あえて今までできなかった細かな作業や論文を読んだりしてリラックスしやり過ごしています。
それだけでは前に進まないので、目標を見直し、現在の目標が実現不可能なものである場合は、修正し、メンバーとディスカッションして自信を取り戻し逆境を乗り越えることができます。
Q.状来目指しているビジョンについて教えて下さい。
現状、皮膚病を治すには、多種多様な治療法が存在し、患者自身何が自分にあう治療法なのか。がわかりづらくなっており、2年〜60年かけて見つけている患者さんが多いです。
慢性疾患患者は世界中にいます。
世界中にいる皮膚炎の方を整容的回復➕機能的回復=社会復帰させて行きたいです。
Q. 今、社内で足りてないリソースはございますか。
販路拡大する営業の方、AI画像診断をするためのエンジニアです。
Q. 成長(成功)のために必要なものについて、何がございましたら教えて下さい。
設立当初は、長期的な視野と目標設定(ビジョナリー)が1番大事かと思っていました。
計画と実行という抽象的な考えから年数を重ねるといかに、外部刺激に柔軟に対応しながら進むことができるかが大事になってきました。
そのため社長は事業以外での時間も費やすため、メンバーと一緒にどう効率よく仕事できるかを考え初めました。
どんな市場でどんなメンバーと一緒に進むかが大事だと思います。
Q. 連携したい企業(業種)はございますか。
皮膚に関する製薬会社との連携になります。
ヒフメドを通して、正しい薬服できていないケースが多く、不自然な時期に服薬を離脱しているケースが多く垣間見ます。
製薬会社と一緒に多くのユーザーにリーチさせるため、正しい服薬を伝えていきたいです。
Q. 憧れ、または尊敬する人はいますか。
私が起業を決めたのは生命科学的思考の著者ジーンクエストの高橋祥子さんです。
研究者である高橋祥子さんが、人間、動物、ビジネスを遺伝の観点から見た内容に感銘をうけ、起業を決意しました。
今でもたまに読ませていただいております。
起業後は、天下茶屋あみ皮フ科クリニックの山田先生です。
サービスが全然固まってない時からサービスを導入してくれ、今では大学にまで導入していただけたのは山田先生のおかげです。
いつも応援してくれ感謝しております。
Q. 気になる企業、目指したい企業はございますか。
日本は、メドピアという会社を目標にさせていただいております。
※メドピア株式日本は、メドピア株式会社は、医師専用サイト「MedPeer」のサービスを行っている企業です。
Q. 失敗エピソードがあればぜひお願いします。
他社との事業連携です。私の事業は、患者と先生が一緒に治すまでの診療補助ツールを開発しています。そこで同じ業界で一緒に働けそうな方と出会った時との連携に難しかったことがあります。
連携したあと、他社の事業をどう一緒に伸ばしていける事業モデルなのか。一緒に連携できる人なのかを見極める必要がありましたが、結果お互いの事業を潰しかねないと思い連携はやめました。
これらの経験から、私は失敗から学び、成長することの重要性を学びました。今後も、失敗を恐れずに挑戦し、成長することを目指していきたいと思います。
■プロフィール編
Q. 子供時代について、ご紹介ください。
「やってみよう」という好奇心が強かった幼少期でした。
たとえば、小学1年生の時にマンションからの自殺した人を見てしまい、「死ぬ」ことに興味を持ちました。
6段あるジャングルジムで、手を後ろにして下から1段づつ飛び降りたことがあります。
6段目の最後の時に近所のおばあちゃんに実験をしていることがバレて止められましたが、今でも飛び降りた時のスローモーションの映像は覚えています。
後遺症として、今でも鼻が凹んでいますがその姿勢は良くも悪くも現在の起業に繋がっていると思います。笑
Q. 子供の頃に見た夢は何でございますか。
好奇心旺盛にもかかわらず、18歳まで自分が何に興味を持っているか、よく分からなかったです。「将来の夢は?」と聞かれてもうまく答えられない子どもでした。
高校3年生のときに海外雑誌の「NATURE」に出会い、遺伝子や細胞に初めて触れました。読み進めていくうちに「これだ!」と稲妻が落ちた感覚がして、それ以来自分の進みたい道が明確になりましたね。
進学先を決めていたた管理栄養士の道に進みながら遺伝子を勉強していました。卒業後は管理栄養士として外資系飲食店へ勤務。栄養学の知識を大いに活かすことができ、とても充実していたファーストキャリアを送ることができました。
働いていたのは栄養系でしたが、プライベートでも遺伝子の興味は尽きることはありませんでした。動物学的に遺伝子はどのように関わっているのか、調べていました。
Q. 駆け出しの頃に役立ったこと、出会いについて教えて下さい。
法人登記する1年前からお世話になっている、コワーキングスペースのビレッジ大阪の運営の方々とスタートアップの皆様との出会いになります。
業界は全くスタートアップが多く存在し、そこでは常に情報交換が盛んでした。疑問点はすぐに解決できる場所で、今はオフィスが代わり、皆様との交流は少なくなりましたが今でもそのスピード感は変わりません。
Q. 仕事のために払った最大の犠牲は何でございますか。
27歳の時に起業をし、それまで3社企業経験を詰み、家族や、友人と夜通し遊んだこともあり、今後は人生をかけて仕事に打ち込みたいと思っています。
起業できたことにより、法人登記する1年前からお世話になっている、コワーキングスペースのビレッジ大阪の運営の方々とスタートアップの皆様。OIH(大阪イノベーションハブ)の方々、参加してきたアクセラレーションプログラムと、投資家の方々、家族、友人には感謝しております。
Q. ご自身のセールスポイントについてご紹介ください。
そのような信頼関係に基づく継続的な治療を通じ、患者自身がリテラシーを向上させ、自分自身で考えて慢性疾患の治療・予防ができることを目指しています。製薬会社とデータ共有しているサービスはすでにありますが、ドクターと直接つながっているのがユニークポイントです。個人情報の観点から、医師への情報共有に対しては患者自身が記録して伝える方法しかありません。その結果、今現在の慢性皮膚疾患患者はご自身でノート等によって記録をとって伝えているような状況です。
■会社概要編
①サービス内容(一言で言うと?)
皮膚疾患に特化したオンライン診療のヒフメド診療と、患者分析サービスのヒフメドレポートです。
上記データからAiの画像診断を大学とともに研究開発して参ります。
②解決している課題
診療が時間が短く、自宅治療中の状態把握に時間がかかります。
自宅治療中の状態を話す患者も、それを把握する医師もズレが生じています。
そのズレを事前に記録し、診療に使えるデータを病院の電子カルテに送信しています。そうすることで、患者の1番最適な治療を叩き出すことができます。
③顧客の価値提供
Genon社の価値提供は、慢性疾患で生活に支障をきたす患者と、その課題に取り組む医師が対象になります。
自宅で不安なこと〜治療を進めている状態を遠隔で医師に伝え割ます。また、状態把握できることで診療時の顧客満足度の向上、顧客との関係構築など多岐にわたる価値を提供しています。
④商品の特徴
Genon社は徹底的に患者を分析と、診療に使えるデータが特徴です。
分析内容は主観と客観的にわけ、感覚的な辛さと、薬や生活を行った結果どんな症状になっているのかを数値化にしています。
それを病院に転送することができ、医師は遠隔で患者を把握することができ診療時の治療や薬の意思決定に使えます。
⑤なぜ その特徴を実現できるのか?
サービスを作る時に徹底的な患者と病院側へのヒアリングと価値を高めている。
⑥比較されている競合他社
CLINICS,CURONなどのオンライン診療
⑦競合優位性はどこにあるのか?
皮膚科に特化した診療体制です。
ヒフメドは、今まで見れなかった重症患者をオンラインで見ることに成功し、再診患者率2割の相場を8割がリピートしている状態です。
ご回答いただきありがとうございました。
株式会社Genon