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注目企業インタビュー

Interview

Vol. 10

海外向けネット通販、訪日インバウンド観光で日本と世界をつなぎ、世界を豊かにしていく

株式会社Velodash Japan 代表取締役CEO 関口大樹

■仕事編
Q.今の仕事を知った(始めた)きっかけについて教えてください。

台湾に住んでいた時、現地でスタートアップ業界に入り、いち早くグローバルな潮流を取り入れ、スピード感を持って変化する環境に大きな刺激を受けると同時に海外から見て停滞する日本に危機感を感じていました。当時から日本は米国だけでなく、台湾や中国、東南アジアにさえ大きな差をつけられていました。

同じ頃、小売、旅行、IT、スタートアップ支援と分野横断的に仕事をする中で、ものづくりや自然や文化、市場の大きさや社会の安定性など我が国の強みにも気づくことができ、現在の事業である越境ECや観光、日本進出支援といった分野にチャンスがあると認識。

これからの日本を良くしていく解決策は、内需主導から外需主導の経済に転換し、人口減少社会でも持続可能な成長をすることが必要だと考え、日本の強みを活かして、世界とともに豊かな社会を創造する事業したいと模索するなかで創業しました。

Q.仕事内容についてご紹介ください。
(ポイントについてや、仕事によって何が変わるかを教えてください。)

仕事のポイントは、日本のクライアントさまの意向や状況と海外の状況やチームとのすり合わせしていくことです。弊社は①海外向けの通販である「越境EC」、②「訪日観光PR・観光ソリューション」、③「日台間の進出支援」という3つの事業を展開しています。
日本と海外の仕事の仕方の違い、海外市場や状況に合わせたクライアント様への提案、海外と日本のチームが一体で動くための気遣いやリスペクト、情報共有を大切にしています。
こうした取り組みを通して、現地市場において効果的な方法でのクライアントさまへの提案や細かなPRの調整などの対応により、クライアントさまの要望を実現していくことができております。

Q.自分でビジネスを始めて得た最大の教訓がございましたら教えてください。
人との繋がりや感謝の大切さ、触れてきた、経験してきたこと、すべてが今につながっているということです。
本当に困ったなぁというタイミングで連絡をくれたり、助け舟を出してくれる人があらわれます。だからこそ、感謝を忘れないようきちんとお伝えできているか、見つめ直すようになりました。
また、アップルのスティーブ・ジョブズ氏も話されていた、「点と点がつながって線になる」というのもつくづく感じます。何の気なしに交流していた人とのつながり、興味関心で続けていたこと、良いこともできていないこともすべてが試される。
これが事業をするということなんだと感じています。
ですので、1日1日、一期一会、ひとつひとつの経験を大切にしていきたいです。

Q. 自信を無くした時、逆境に立った時の対処法がございましたら教えて下さい。
もともとは少し自信はなくしやすいタイプだったので、対処する習慣を身に着けてきました。
立ち止まって自分の時間を持つだけでなく、そんな時こそ人と会うことでエネルギーをもらえるので、最近は行動して解決するようになりました。
また、普段から自信をなくさないよう健康管理やジムでの運動を心がけ、プライベートも含めて目標と達成したことを記録。
例えば、ジムに通った日時、読んだ本や鑑賞した映像作品、達成したこと等を書き留めて、自分自身は何もしていないわけではない、成長しているということを見える化するようにしています。

Q.状来目指しているビジョンについて教えて下さい。
「日本の地域を世界と繋いで、人口減少・低成長下でも持続可能な発展を実現していく」というミッションがあり、日本だけでなく、世界の人々や各地域も豊かになる、社会づくり や体験を事業を通して実現していきたいです。

Q. 今、社内で足りてないリソースはございますか。
このビジョンを実現していく仲間たちと事業成長のための外部資金です。

Q. 成長(成功)のために必要なものについて、何がございましたら教えて下さい。
大きな目標(ゴール)、小さな目標、毎日の積み重ねや習慣、そして心がけです。
1日でも手を抜けばすぐ影響があるし、少しでもいい習慣や行動すれば着実に結果が返ってきます。そして、それを実行するための日々の心がけが非常に大切だと仕事をする中で認識しています。
また、単なる積み上げ式の目標にならないよう、大きなゴールと目標を定めて行動するのが大切だと思います。
一時期自分の方向性を見失ってしまった時期もありましたが、いま再び大きな目標を描こうと思っています。

Q. 連携したい企業(業種)はございますか。
海外、特に台湾に向けてネット通販で商品を販売していきたい企業さまです。
弊社がご支援したダイコクドラッグさんのように自社ネット通販サイトをお持ちの企業さまだけでなく、商品単体で販売していきたい事業者さま向けなど、ネット通販の支援やマーケティングなど多様なサービスを提供しています。
また、インバウンドで日本のお店に来ていただきたいお店や企業さまもご支援したいです。北海道の飲食店には台湾の団体旅行客を送客しています。
台湾現地でオンラインと台湾の実店舗などリアル、両方でのマーケティングができるのは弊社の強みです。ぜひお声掛けいただければ嬉しく思います。

Q. 憧れ、または尊敬する人はいますか。
ファーストリテイリングの柳井正さんや楽天の三木谷さんなど、一代で他の人にはできない発想や取り組みで社会全体に大きな影響を与える企業を設立したこと、本当にすごいなと思います。
新卒でユニクロの姉妹企業ジーユーに入ったのも、当時の新卒採用のキャッチコピー「商売人募集」という標語に引かれたからからです。 今でもファーストリテイリングの取組みを定点観測しています。

Q. 気になる企業、目指したい企業はございますか。
ユニクロと楽天以外の日本企業では、GENDAが弊社の目指す理想像に近いです。
GENDAは「世界一のエンターテイメント・テックカンパニー 」というミッションに向け、シナジーを生むエンタメ企業をロールアップ(買収)して急成長しています。
弊社も日本市場の大きさや資本市場の厚み、世界に売れる製品や文化、観光資源という強みを背景に、海外の出口として現地ECを買収したり、観光やリテールのメディア運営拠点を持ち急成長していきたいです。

Q. 失敗エピソードがあればぜひお願いします。
失敗だらけでエピソードに事欠きません(笑)
「成功はトライ・アンド・エラーの数で決まる」と聞いているので、失敗を失敗と思わず、成功するために次どうするかということをいつも考えています。

■プロフィール編
Q. 子供時代について、ご紹介ください。

個性を大事にしながら、割と伸ばしたびのびと育ちました。なので、少しマイペースな部分もあった一方、ビジネスで重要な「差別化」につながる個性や他の人と違うものの見方や行動ができるようになったと思っています。
幼い頃は実家の周囲に同年代の子ども達がいなかったこともあり、お家で過ごすことが多く、本や映画を見たり、空想を膨らませながらおもちゃや絵を描いたりして遊ぶのが好きな子でした。
中高は男子校だったのでスクールカーストがあまりなく、やりたいことに打ち込むことができたことが私に合っていました。自分の関心を追求する中で、「もっと広い世界が見たい」という気持ちが養われていきました。
海外の大学院に進学する前、挨拶のため母校を訪れた時に担任の先生から「お前は日本を出て海外行くってわかってたよ」と言われたときに、こうした個性を伸ばして成長できる環境にいたことで、少し違うものの見方や行動などいまの自分がカタチづくられたのだと気づきました。

Q. 子供の頃に見た夢は何でございますか。
幼稚園の頃の夢はディズニーランドで働くことで、「素晴らしい世界を創ってみんなを楽しませたい」という気持ちでいっぱいでした。
ちょうどライブドア事件の前後に中高生、たくさんのベンチャー企業が生まれていた時期でそうした起業家に憧れていました。学校の成績も企業業績になぞらえて自分を鼓舞するほど事業への想いも生まれていました。
また、映画が好きだったので、当時から海外進展開に積極的だった韓国のように、日本の映画を海外に販売したいという夢も持っていました。
こうした、人を喜ばせたい、起業家になりたい、海外に進出したいという想いは今の事業にも繋がっていると思います。

Q. 駆け出しの頃に役立ったこと、出会いについて教えて下さい。
ロータリクラブは100年以上前にアメリカで生まれた、地域社会への奉仕というテーマで集う、事業家の方が所属されていることが多い民間組織です。
大阪のあるロータリクラブは50年以上前に初めてクラブで支援した留学生が台湾出身で、私もその方が運営している台湾の学友会から奨学金をもらっていました。国を超え、数十年の時を経た繋がりで、帰国後に私を応援してくださっています。
懇意にしている方からは「長年の縁があるから君には成功してもらわないとあかんのや」という無償の愛で起業支援機関やひとの紹介してくださったり、クラブの会に呼んでいただいりしました。
事業を始めたばかりで右も左も分からない時に、手を差し伸べて応援してくださったことの暖かさを忘れず、私も必ず成功して恩送りしていかないといけないと思っています。

Q. 仕事のために払った最大の犠牲は何でございますか。
安定した給与や守られた待遇、それがあるからこそ結婚などライフプランを早く決めるができると思いますが、そうした安定的な生活は今は無いです。まずは人生をかけた事業の成功あってこそだと思います。
将来、自分も家族も社員も余裕が持てるよう、事業や環境づくりをしていきたいです。

Q. 自分自身のモットー、座右の銘について教えて下さい。
「成長スピードを左右するのはトライ・アンド・エラーの回数」
スタートアップ業界に入りたい、そう思っていた頃、Readyforの米良はるかさんがインタビューで語っていた言葉。
20代前半で事業を始めた大先輩でもあり、憧れの存在であった起業家の言葉を今でも胸に抱いています。

Q. ご自身のセールスポイントについてご紹介ください。
国や文化、業種を超えた横断的で複眼的な視野、常に変化し続ける柔軟性が強みであり、セールスポイントです。
本当にまだまだ未熟な私ですが、環境を変え、行動を変え、マインドを変え、多分野を横断しながら、スピードは遅くても、時間はかかっても自分を変えてきたという自負があります。私自身だけでなく、ひとはみな変われると信じています。
ピンチや環境の変化は、自身が変われ、成長できるチャンス。
そう思ってこれからも成長していきます。

■会社概要編
①サービス内容(一言で言うと?)

弊社は①海外向けの通販である「越境EC」、②「訪日観光PR・観光ソリューション」、③「日台間の進出支援」という3つの事業を展開しています。
すべてに事業を海外のチームと共同で運営し、現地で受け入れられやすく効果が高い、丁寧なマーケティングを行なっております。

②解決している課題
日本と海外、特に台湾をつなぎ、クライアントさまの売上や企業価値向上を行なっています。
直近の具体例としては、大阪に本社を持つ大手ドラッグストア「ダイコクドラッグ」の越境EC支援があります。
クライアント様は台湾現地のモール型通販サイトにも出店されていたのですが、費用はかさむ上、要求は厳しい一方、売上は伸び悩んでおり、自社運営のネット通販サイトに切り替えたいという希望を持っておられました。ですが、ゼロからサイトを立ち上げ会員獲得していくには、ライバルと比べ知名度で劣り、現地でのマーケティング力にも課題がありました。
そこで弊社では、オンラインと実店舗でのマーケティングを組合わせ、クライアントさまのネット通販での現地市場進出を支援。
台北市内の店舗にPOP UPストアを開設。現地のお客様にブランドや商品に触れてもらい、QRコードからネット通販にアクセスできる仕組みを整えました。
また、オンラインでも20万人以上の会員を抱えるネット通販サイト内での送客特設ページの設置、SNSでのPR、通販サイト購入者への同梱チラシ広告などオンラインとオフラインを組みわせマーケティングを実施。
クライアントの要望に応え、ゼロから体制を構築。認知度向上、会員数と販売を増加させ、台湾市場進出に貢献できました。

③顧客の価値提供
地域と海外をつなぎ、ローカルに強い現地チームとともに、「クライアントにとって期待以上の効果のある価値を創出すること」が最大の顧客への価値提供だと思っています。
海外展開のノウハウや現地のコネクション、現地でウケるマーケティングなどを活用し、どうすればクライアントさまにとって有意義な価値を提供できるのか、毎回アイデアをしぼって取り組んでいます。

④商品の特徴
①海外向けの通販である「越境EC」
②「訪日観光PR・観光ソリューション」
③「日台間の進出支援」
という3つの事業を展開しています。

①海外向けの通販である「越境EC」ではオンラインでの送客、PRだけでなく、POP UP実店舗設置、ネット通販への同梱広告など台湾現地においてリアルでのPRも行なっております。
②「訪日観光PR・観光ソリューション」では祖業のサイクリング・スポーツ関連に加え、インフルエンサーや現地メディアへのプレスリリース、地域紹介のPOP UPの設置などを展開。
③「日台間の進出支援」では和歌山市さんと台北市さんから講演と両市交流のアテンドをさせていただいたり、台湾のスタートアップの進出支援など日台相互で進出支援を行なっています。

⑤なぜ その特徴を実現できるのか?
海外現地チームとの連携にあります。文化、習慣、社会背景が異なる海外現地をいきなり日本人がオペレーションしてもうまくいきません。
やはり、現地のこともある程度理解したうえで、日本のニーズと現地チームのチカラをうまく融合させることが大切だと思います。

⑥比較されている競合他社
具体的な名称は申し上げるのははばかられますが、越境EC支援会社、日本情報発信サイト運営会社などです。

⑦競合優位性はどこにあるのか?
弊社の強みは創業当初から「海外チームと協同で事業を運営している」ことです。
それには私が長年の国際交流やグローバルにひらけた台湾での留学を通して、言語、文化を理解し、広くネットワークを持てているのが背景にあると思います。  
例えば、海外向けの通販である「越境EC」においても、現地マーケットのニーズやセールのタイミング、文化や習慣を理解していないと、いくら良い商品でも受け入れてもらえません。
そうした理解を持ったうえで、現地チームと協業しながら事業を創造出来るのはどの会社でも出来ることではないと考えております。

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