■仕事編
Q.事業を一言で表すと?
tiramiは、椅子を深く愛し、椅子の可能性を暮らしの中で探り続けるブランドです。
暮らしに宿る記憶や感情を、椅子というかたちに仕立て、座るための道具ではなく、その人の美意識や時間を映す、ひとつの居場所をつくります。

Q.どんな課題を解決できるビジネスですか?
現代の暮らしでは、便利で整ったものが増える一方で、自分の記憶や感情、文化に深く結びつくものと出会う機会が少なくなっていると感じています。
tiramiは、椅子を単なる家具ではなく、人が自分らしく在るための小さな居場所として捉えています。記憶や感情、土地や暮らしの中にある気配を椅子のかたちにすることで、空間に安心感や誇りを生み出し、日常を深く味わえる時間をつくります。

Q.この事業を始めたきっかけは?
大学時代にアートとデザインを学んでいた頃、ある雑誌の中で一脚の椅子に目を奪われたことがありました。それは単なる家具ではなく、暮らしの豊かさや、その人の美意識、空間の空気までも象徴しているように見えました。「これほど美しく、人の生活に深く関わる存在はない」と感じたことが、椅子の道を志すきっかけです。
その後、家具メーカーに就職し加工・塗装・張りなど家具づくりの現場を経験し、椅子が人の身体を支える道具であると同時に、暮らしの輪郭を変える存在であると考え始めました。
tiramiは、その原体験をもとに、椅子を通して人の記憶や感情、文化をかたちにし、自分らしく在るための居場所をつくりたいという思いから始まりました。

Q.現在のサービス(またはプロダクト)の特徴を教えてください。
tiramiは、オリジナルの椅子を軸に、アート性とプロダクト性の両方から椅子の可能性を広げているブランドです。
椅子を、単に座るための道具として捉えるのではなく、人の記憶や感情、文化を受け止める「居場所」として捉えています。そのため、作品として空間の印象を変えるアート性と、日常の中で実際に使えるプロダクト性の両軸を大切にしています。
代表的なプロダクトである hanataba stoolは、台湾で1ヵ月の滞在製作の中で生まれました。台湾の風土、人々の優しさから花をモチーフにしたスツールです。花びら1枚1枚が体を支えるようなデザインの中にその人が見えるモチーフの文化性があります。また座面の谷間は膝裏があたらないように柔らかく削られていて座る人の気持ちに寄り添うスツールです。住宅では暮らしに彩りを添える椅子として、店舗や宿泊施設では空間の記憶に残るアイコンとして機能します。
tiramiは椅子を通して、空間にどんな感情が生まれるのか、人がそこでどのように自分らしく在れるのかまでをデザインします。一脚の椅子を、使うための家具であり、眺めるための彫刻であり、暮らしの輪郭を変える存在として提案していることが、tiramiの大きな特徴です。

Q.ターゲット(お客様)はどんな方ですか?
自分の暮らしや空間を大切にしたい方、長く愛着を持てるものを選びたい方が主なターゲットです。
特に自身の人生観やこだわりを暮らしの中に落とし込みたい方に届けたいと思います。また個人のお客様だけでなく、店舗・宿泊施設・ギャラリー・住宅設計に関わる方など、空間の印象を大切にする事業者の方にも提案しています。
Q.競合や他社との違い・強みは?
tiramiの強みは、「なぜその椅子がそこにあるのか」という物語や思想まで含めてデザインしている点です。
■近況編
Q.最近のトピックス(成果・ニュース)はありますか?
台湾でのアーティストインレジデンスをきっかけに生まれた hanataba stool を、国内外で展開していく準備を進めています。現在は台湾と日本で販売しています。日本では京都府産のヒノキ材を使ったモデルで、同モデルは京の木製品認証の意匠部門を受賞しました。

Q.現在の課題(悩み)は何ですか?
これまでは、椅子を考え、形にすることに集中してきました。その中で、ものづくりの価値や椅子の面白さを多くの方に知っていただくことの難しさも感じています。
今後は椅子を通して暮らしや自分らしい居場所について考える楽しさをより多くの方に伝えていきたいです。
Q.未来翔会に期待することは?
tiramiの椅子を家具業界の中だけでなく、より幅広い産業や社会課題と結びつけるきっかけを期待しています。また新素材の活用などに椅子を使っていただけたら嬉しいです。
■未来編
Q.今後のビジョン・目標を教えてください。
椅子は、身体に一番近い家具であり、その人の姿勢、時間、感情、暮らし方が表れる存在だと思っています。だからこそ、人や空間に合わせた表現や居場所をデザインできる可能性があります。これからは、hanataba stool をはじめとした日常に届くプロダクト展開と、椅子の可能性をアートのように鋭く表現する作品展開の二軸を、tiramiの軸として広げていきます。
そして、「日本人にとっての椅子とは何か」という、まだ十分に語られていない問いにも挑戦したいです。椅子の文化が欧米から伝わって100年以上が経った今、改めて日本の文化や風土に合った椅子をデザインできるのではないかと感じています。
多様性の時代だからこそ、自分たちの身体感覚や暮らし方に自然と馴染む在り方のデザインを見つけていきたいと考えています。

tirami
Webサイト:https://www.tiramiwoodwork.com
















